『生きる言葉』より(p.136)
【なんでたくさんの言葉があるの?】(小三・男子)
ここまで読んでくれた子どもには、うすうすわかるのではないだろうか。たくさんの言葉があるってことは、それだけ世界が豊かだということのあかしなのだ。二つ目の回皆でも触れたが、言葉は世界の目印。言葉を手がかりにい世界を理解することができるし、言葉をつかって自分の気持ちを伝えることができる。言葉がたくさんあるのは、人魚の大先輩たちが、世界を理解しようとがんばったり、気持ちを伝えあおうと奮闘したりした痕跡だ。財産とも言える。
俵 万智『生きる言葉』、新潮新書、2025年、p.136
歌人・俵万智さんによる「言葉」に関する本ということで、面白くないはずがない。好きな本で、引きたい箇所がたくさんある。中でも、著者が『Questionary』という子ども向け質問サイトで、子どもたちから寄せられた質問に回答した内容を紹介している箇所がある。シンプルながら本質をとらえた質問ばかりで、それに応える著者の回答も真摯。良い意味で、相手がこどもだからと言って回答の出力をセーブしていない。ハッとさせられっぱなしだった。