いろいろなところで聞かれる。
「で、行ったのか?」。
なんのことかというと、MLBのTOKYOシリーズのことであります。
ロサンゼルス・ドジャース対シカゴ・カブスの2025開幕シリーズが東京ドームで開催されました。
行けませんでした。
ドジャースの気持ちのいいくらいの横綱野球を、メジャー屈指の老舗球団カブスの緻密なスモールベースボールを、生で観たかったですよ。
ドジャースはカリフォルニアで何回か観ました。その頃は大谷さんは当然まだいなかったですけれども。
カブスは人生で一度も観たことがないので、実はとても気になっていたのです。
シカゴ・カブスというのは、数あるMLB球団の中でも老舗中の老舗なので、全米各地にファンがいるのです。生粋のロサンゼルスっ子で熱狂的ファンなんて人もいるくらい(実際に会ったことがあります)。他のチームは、たいていその所属都市か州のファンが大半を占めるのですけれど、カブスファンはシカゴだけではない。たとえば両親がシカゴ出身だったりする関係で、「別の都市に住んでいても変わらず応援する」という人が多いのではなかろうかと思います。それが代々受け継がれたりして、シカゴやイリノイ州以外の全米各地にもファンが増殖する。歴史がある、というのはすごいことです。
なにしろチーム創設は1871年のこと。本邦は明治4年。廃藩置県が断行された年。野球やってる場合じゃなさそうでしたね…。
ユニフォームデザインのあの感じも、アメリカの古き良きクラシックという感じがして好きです。
私は初の渡米(2001年)以来サンフランシスコジャイアンツのファンですけれども、ファンになりたての頃からカブスはなんだかこう、別格な感じがしていました。
カリフォルニア州内にある、その辺のなんてことのない公園に足を運びますと、当時はだいだい野球をしているおっさんたちがいて、その中に私も混ぜてもらったりしていました。「なぜシカゴの帽子を被っているの?」と私が聞くと「そりゃ、ファンだから」ということで、熱弁を振るわれたこともあったっけ。サンフランシスコ周辺は、ふつうにジャイアンツファンが多かったのですが、彼らによるカブスへの眼差しは、他のチームに対するそれとは異なることを、なんとなく察知したことを思い出します。そのことを学校の先生(50代女性、サンフランシスコ在住)に話したら、「なんて素晴らしい論点なの」と誉めてくれたりして、熱く語ってくれました。野球っていうか「ベースボール・カルチャーというのが存在して、老若男女に根付いているんだな」と、羨ましく思ったものです。
しかしまあ、野球観戦をするにしても、あらゆる値段が高い。べらぼうです。好き、だけでは、田舎者野球ファンはなかなか厳しい。
また、COVIDの狂騒を経て、東京ドームの中はすっかり変わってしまった。
私は昭和のおじさんです。現金が一切使えなくなったことに大変な衝撃を受けてしまったぐらい、最新の野球観戦シーンに取り残されてしまっているので、リハビリを経てからにしないとならない。MLBのしかも開幕戦なんぞ、観ることができなかったのです。久しぶりに観るプロの試合がMLB開幕戦なんて、卒倒してしまう。エンタメから離れすぎたために、身も心も刺激に弱くなっている気がするんですね。
そして同じ時期、我らがジャック・ホワイトがツアーで来日していたのでした。
新譜がとても好みなので、ライブに行きたかったなあ。
むしろ、実を言うと、こっちに行きたかったのだわたしは。
こっちは行きたい日のチケットがソールドアウトで不可でした。
二兎を追うものなんとやら。
(追記)
もしやと思ってSNSを見に行ったら、やはりジャックも開幕戦を見に行っていたらしい。
しかも、隣の席が偶然、ビル・マーレイだったというからぶったまげてしまった。
そんなこと、ある!?笑
2度見、3度見してしまいましたよ。
この現象(?)からみても、カブスの別格っぷりがわかって面白い。
MLBは試合だけでなく、歴史やカルチャーも面白いですね。
日本での試合もいいけれど、またアメリカで観たいもんだ。
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