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本棚にある中で、いつも目に入る位置に置かれている本があります。ごく自然に、視線がそこに向かってしまう本。それはすなわち、自分にとって重要な本であるということなのかもしれません。このサイトに辿り着いてくれたのも何かのご縁です。愛読書を公開することで、少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。

エゴを抑える技術」(ライアンホリデイ)

抑えきれないプライドや自己重要感が、いかに私たちの志を頓挫させるかを、キャサリン・グラハム、ジャッキー・ロビンソンといった多彩な人物のエピソードを交えて巧みに紐解く一冊。志(Aspiration)、成功(Success)、挫折(Failure)という三部構成を通じて、謙虚さを育み、規律を受け入れ、物事を冷静に見つめ直すための実践的な教訓を凝縮しています。短い章ごとに歴史的な逸話と具体的なアドバイスがセットになっており、外部からの承認欲求を手放すことで、本当の達成感と持続的な成長への扉が開かれることを示してくれます。

イメージ 視覚とメディア 」(ジョン・バージャー)

BBCの同名テレビシリーズ(1972年)をもとに書籍化され、“現代の目” を鍛える入門書として読み継がれる名著。バーガーは、油彩画から広告写真、テレビ映像まで多彩な図版を提示しながら、

  • 複製技術が〈オリジナル〉の権威をどう変質させるか
  • 「見る/見られる」というジェンダー構造(いわゆる〈男性凝視〉)
  • 商品広告に埋め込まれた欲望とイデオロギー

――を平易な文章で解きほぐしていく。ページをめくるたびに「当たり前」と思っていた視覚体験が裏返り、見る者としての自分が問い直される。

最初、この本を読んだとき、私は「いけないことを知ってしまった」という気がした。それはなぜか?を自分なりに探求していったところ「制作に対する倫理観が問われている」ということなのだと思ったのだった。

身も蓋もない言い方をすれば、「売れる」ウェブ制作や広告制作は「欲望をいかに動かすか」に尽きるが、ノウハウコレクター的にこの本に書かれていることを活かすことは、果たして「活用」なのか「悪用」なのかということを、常に考えるようにして読み返している。テクニックを積み重ねようとも、運用する人間の心こそが大事だということにますます気付かされる。

このページに「ステマ防止法」の影響で、決して美しいとはいえない表記が入り込んでいる。これなどは、資本主義の極北が氷山の一角的に顔を出している現象なのかもしれない。

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